エポキシ樹脂は、分子構造のなかにエポキシ基を含む熱硬化性の合成樹脂の総称です。エポキシ基とは、酸素原子が2つの炭素原子に結合した化合物のことです。エポキシ樹脂は単独では反応せず、硬化剤と組み合わせて化学反応させることで熱硬化性樹脂として使用されます。具体的には、アミン系、酸無水物系、酸触媒系などの硬化剤を混合し、化学反応を起こすことで、硬化物が得られます。硬化温度や時間は、使用する硬化剤の種類によって調整が可能です。硬化物によって、耐熱性や接着性、機械的強度、電気絶縁性などの特性がやや異なります。用途によってさまざまな特性を持つエポキシ樹脂があるわけです。電子部品や半導体、接着剤、塗料、複合材料などで活用されています。エポキシ樹脂の特徴エポキシ樹脂は以下のような特徴を持っています。機械的強度が高いエポキシ樹脂は、分子間の結合が強固で、高い強靭性を有しています。硬度が高く、耐摩耗性にも優れます。これにより、構造部材や機械部品などの用途で活用されています。特に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の強化材として活用されることで、軽量かつ高強度の部材を実現できます。エポキシ樹脂の優れた機械的特性は、幅広い産業分野での活用を可能にしています。電気絶縁性が良好エポキシ樹脂は、分子構造中にエポキシ基を有しており、この部分が架橋反応することで高い絶縁性が発現します。このことから、エポキシ樹脂は電子機器の封止材や絶縁材料、高圧ケーブルの絶縁体など、幅広い電気電子分野で活用されています。耐熱性に優れているエポキシ樹脂は、高い耐熱性を持ち、熱分解温度は一般的に250℃~300℃の範囲にあります。この高い耐熱性により、電子機器内などの高温環境での用途に適しています。また、熱による変形や劣化も少ないため、寸法精度が重要な部品にも使用されています。エポキシ樹脂の高い耐熱性は、幅広い産業分野での活用を可能にしています。接着力が強いエポキシ樹脂は優れた接着力を有します。金属、プラスチック、ゴム、セラミックスなどを接着する際に活用されています。特に、エンジニアリング接着剤・構造接着剤としての用途も多数あります。接着剤以外にも、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性などの特性を活かしてコーティング剤として利用されることもあります。耐薬品性、耐水性、耐湿性に優れているエポキシ樹脂は化学的に安定した構造を持っており、各種溶剤や薬品、水、湿気に強いという特性があります。これにより、腐食を防ぐ目的でも使用できるほか、防錆コーティングや密閉容器の材料としても適しています。寸法安定性があるエポキシ樹脂は硬化後も寸法変化が少なく、高い寸法安定性を示します。そのため精密部品の材料など高精度の加工が必要なケースでも活用できます。エポキシ樹脂のデメリットエポキシ樹脂のデメリットは、紫外線によって劣化してしまう点です。太陽光を浴びると、白く劣化してしまうため、表面のコーティングが別に必要です。また、低温時に硬化するまで時間がかかる点もデメリットです。靭性が低い点も特徴になるため、ポリウレタンを加えて使うこともあります。エポキシ樹脂の生成エポキシ樹脂は、エポキシ環(オキシラン環)という構造の付加重合・開環重合によって生成されます。この反応には副生成物が発生しません。以下の通り、硬化剤の種類により、硬化条件や硬化物の特性が変化します。アミン系硬化剤: 一般的に最も使われる硬化剤。強靭性・接着性に優れた硬化物が得られる酸無水物系硬化剤: 加熱硬化が必要になる硬化剤。電気絶縁性や機械的特性・耐熱安定性に優れた硬化物が得られる塩基性触媒: エポキシ樹脂に対して少量添加で短時間硬化が可能エポキシ樹脂の用途エポキシ樹脂は以下のような用途で活用されています。電子部品の封止材、プリント基板塗料、コーティング剤(構造物の防食など)接着剤(構造用、エンジニアリング用)複合材料(GFRP、CFRP)の強化材光造形3Dプリンターの材料試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris