SUS440Cは、JIS規格に規定されたマルテンサイト系ステンレス鋼の銘柄です。炭素含有量が0.95~1.20%と高く、焼入れによる硬化性に優れています。焼き入れと焼き戻しの熱処理により、HRC58以上の高硬度(ステンレス鋼の中でも非常に高い硬度)を実現できます。この高い硬度により、SUS440Cは優れた耐摩耗性と疲労強度を発揮します。また、クロム含有量が16~18%と比較的高いため、一般的な炭素鋼や工具鋼に比べて耐食性にも優れています。ただし、オーステナイト系ステンレス・フェライト系ステンレスに比べると耐食性は劣ります。SUS440Cの代表的な用途としては、刃物や金型、製品の形状・制度などを検証する検査ゲージなどが挙げられます。SUS440Cの特徴SUS440Cの特徴は以下の通りです。高硬度により、耐摩耗性や疲労強度、引張強さに優れるクロム含有量が比較的高い(16.0~18.0%)ため、炭素鋼や工具鋼より耐食性が良い(しかし、オーステナイト系やフェライト系ステンレスより耐食性は劣る)焼き入れ前は普通鋼やフェライト系と同等の被削性だが、焼き入れ後は被削性が極端に悪化する(焼き入れ前に最終形状に仕上げることが一般的)SUS440Cの主な用途SUS440の主な用途は以下の通りです。ベアリング、シャフト等の荷重を受ける部品包丁、はさみ、カミソリ、医療用メス等の刃物金型(射出成形用など)検査用ゲージその他、耐摩耗性と強度が要求される機械部品熱処理条件の影響熱処理条件によって機械的性質が大きく変化します。一般的な熱処理条件は以下の通りですが、実際には様々な条件が用いられます。焼き鈍し: 800~920℃で徐冷焼き入れ: 1010~1070℃で油冷焼き戻し: 100~180℃で空冷または徐冷焼き入れ温度が高いほど硬度は上がりますが、一方で靭性は低下します。焼き戻し温度が高いほど硬度は低下し、耐食性も悪化する傾向にあります。SUS440Cの注意点SUS440Cは最も加工が困難なステンレスの一つとされるため、適切な加工ノウハウを持つ専門業者への発注が推奨されます。また、用途に合わせて熱処理条件を適切に設定する必要があります。試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris