金箔押しは、金属の版を使って金箔や銀箔などの箔を熱と圧力で紙に転写させる特殊印刷の技術です。「箔」とは金属を極薄く伸ばしたもので、美しい光沢と高級感があり、装飾の目的で用いられています。「ホットスタンプ」と呼ばれることもあります。金箔押しは、その高級感と輝きから、包装紙、書籍の表紙、ギフトボックス、名刺、招待状などさまざまな分野で使用されてきました。特に、高級感を演出したい製品やブランドイメージの向上に効果的です。近年では、金属調の印刷技術の進歩により、金箔の代替としてメタリック箔を用いる事例も増えてきています。しかし、本物の金箔ならではの上質な風合いは、高級品を演出する上で重要な役割を果たしています。金箔押しの特徴金箔押しの最大の特徴は、通常のインクの印刷では得られない”特別感”を表現できることです。箔押しには、箔(フォイル)、箔押し用の金属版、紙、専用の箔押し機が必要です。デザインに合わせて作成した版に箔をセットし、熱と圧力を加えて紙に箔を転写します。凸凹させる加工——凸を表現するエンボス加工や、凹をつくるデボス加工など——を組み合わせることにより、さらに特別感が強調されたデザインを施すことも可能です。お菓子や化粧品などの高級品のパッケージに活用されるk十も多いです。一方、金箔押しは、印刷面の形状によっては金箔が剥がれる懸念もあります。金箔が剥がれれると、他の製品などに張り付く可能性もあるので、注意が必要です。加えて、金箔押しは型が必要になるため、小ロットの印刷には不向きであるというデメリットもあります。そのため金箔押しが向いているのかどうか検討して導入する必要があるといえます。歴史日本では中世から本物の金箔を用いた箔押しが行われており、経本(仔書)の装丁などに使われていました。明治期以降は卵白などの接着剤を塗り、箔を圧着させる方法がとられていましたが、1960年代に真空蒸着法(メタリック法いる)という手法の開発・普及により、金箔フィルムの着色層・蒸着層・接着層を形成できるようになり、より効率的に金箔押しを行うことが可能になりました。箔の種類箔押しには、金以外にも以下の種類があります。メタリック箔(金箔、銀箔、赤箔、青箔など)金箔は伝統的な素材で、高級感と重厚感を演出できます。銀箔は金箔よりも安価で、やわらかな輝きを表現できます。赤箔や青箔などの色付き箔は、個性的な印象を与えることができます。これらリック箔は、高級感のあるパッケージデザインや、特別感のある印刷物に活用されています。箔の種類を選び分けることで、より効果的な意匠を実現できます。顔料箔(白、黒、赤など発色の良いマット調)顔料箔は、発色が良く落ち着いたマット調の表現が可能です。光沢のあるメタリック箔とは異なる質感を出すことができ、高級感というよりもシンプルで洗練された印象を与えます。特に白や黒の無地の箔は、ロゴやデザインをクリーンに引き立たせる効果があり、トレンド性の高いモノトーンなどのデザインに適しています。赤や他の発色の良い色箔も、個性的なアクセントとして使用できます。顔料箔は、メタリック箔と比べて比較的リーズナブルな価格でホログラム箔(偽造防止用)ホログラム箔とは、光学的な干渉効果を利用して複雑な模様を作り出すことで、偽造を防ぐ箔のことです。クレジットカードやチケットなどの重要な書類に使用されることが多く、高度な技術が必要とされます。ホログラム箔は、光の反射具合によって立体的な模様が浮かび上がり、繊細な模様を再現できるため、偽造を困難にします。この特性から、金融機関や政府機関、企業のセキュリティ対策などで幅広く活用されています。ホログラム箔の製造には高度な技術が必要なため、版の種類また、箔押しには、板によっても複数の種類があります。腐食版(コストが安く短納期向き)腐食版は金属の腐食を利用して版を作る方式で、細かい文字・図柄を表現する際に適した手法です。手作業になるので比較的安価な手法であり、製造期間も短いのが特徴です。デザインの表現力は若干劣りますが、コストと納期の面で優れているため、ノベルティグッズやシール、単色の箔押しなどに活用されることが多いです。短納期での対応が必要な案件や、コストを抑えたい場合に選択されるバリエーションの1つと言えます。金箔押しのメリット金箔押しのメリットをまとめると、以下の通りになります。華やかさや高級感、特別感を演出できる箔の種類が多く表現の幅が広い金箔押しのデメリット一方、金箔押しのデメリットは下記の通りです。版代や箔押し代がかかり、コストが高くなる用紙と箔の相性など、事前確認が必要金箔押しの活用例金箔押しの主な活用例は以下の通りです。名刺、年賀状、ポストカード(タイトルや一部分に使う)結婚式の招待状商品券、クレジットカード(偽造防止)景品のシール、缶バッジ(ホログラム箔)データ作成時は、細かい文字や模様には不向きなので、印刷部分と箔押し部分のデータを分けて渡す必要があります。試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris