冷間圧延鋼板は、常温で圧延加工を施した鋼板のことです。名称に「冷」という言葉がありますが、常温で圧延された鋼板を指します。900℃~1200℃ほどの温度下で圧延する熱感圧延よりも、高い寸法精度を持った加工法です。加えて、常温で加工するので、空気中の酸素と金属が結合して酸化膜が形成されることもありません。これにより、加工後の金属表面の光沢を維持することができます。加熱設備が必要ないため、加工時の操作性が高い、初期コストをカットできる、といったメリットもあります。冷間圧延鋼板は、自動車や家電、建築部材など、幅広い分野で活用されています。熱感圧延鋼板との違い熱感圧延鋼板とは、高温下で圧延加工を施した鋼板のことです。熱間圧延により900℃から1200℃の高温域で鋼材を圧延するため、冷間圧延に比べ加工が容易であり、生産性が高くなります。また、高温加工によって金属組織が改善され、強度や延性が向上します。一方、冷間圧延鋼板は常温での加工のため、寸法精度や表面品位に優れています。違いを表にまとめると以下の通りになります。項目熱間圧延冷間圧延加工温度900~1200℃常温加工性◯△寸法精度△◯表面状態酸化被膜滑らか・光沢あり加工後熱処理不要焼鈍が必要用途に応じて熱間圧延鋼板と冷間圧延鋼板を使い分けることが重要です。具体的には、自動車部品のように高い強度と加工性が求められる場合は熱間圧延鋼板が適しています。一方で、家電製品のパネルなど、表面の仕上がりと寸法精度が重視される場合には冷間圧延鋼板が適しています。また、建築資材のように厚みがあり、表面品質と加工性の両立が必要な用途では、熱間圧延と冷間圧延を組み合わせた鋼板が活用されます。このように、用途に合わせて熱間圧延鋼板と冷間圧延鋼板を使い分けることで、製品の品質と生産効率を両立させる必要があります。冷間圧延鋼板の特徴冷間圧延鋼板のメリットは以下のとおりです。・鋼板の表面が滑らかで光沢があり、外観品質が高い・熱間圧延と比べて寸法精度が高い・加熱設備が不要なため、加工時の操作性が高い・加工設備が不要なため、初期コストを抑えられる一方、デメリットは以下の点になります。・熱間圧延と比較して加工性が低い・何度も圧延すると加工硬化が発生するため、焼きなましなどの熱処理を行う必要がある試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris