芳香族ポリエーテルケトン(Aromatic Polyether Ketone、PAEK)は、ベンゼン環がエーテル結合とケトン結合によって直鎖状になったポリマー構造を持つ熱可塑性樹脂です。代表的なものにポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリエーテルケトンケトン(PEKK)があります。PEEK・PEKKは、非常に高い耐熱性を持ち、熱伝導率が高く、難燃性に優れるという熱特性を持ちます。また、機械的特性・耐疲労性・耐摩耗性にも優れており、加工しやすいといった力学的特徴もあります。耐薬品性・電気絶縁性・耐放射線性にも強いことから、航空宇宙分野や自動車分野など、過酷な環境で使用する部品の材料に適しています。PEEKとPEKKの違いPEKK (ポリエーテルエーテルケトン)とPEEK(ポリエーテルケトンケトン)は、構造式・原料・物性のコントロールにおいて異なります。PEEK・PEKKの構造式の違い構造式の違いは以下の通りです。PEEKはエーテル-エーテル-ケトンの順に結合が配置されているPEKKはエーテル-ケトン-ケトンの順に結合が配置されており、ケトン基が1つ多い構造式の違いとしては、ケトン基の数が異なります。PEKKのほうがケトン基が一つ多く、これにより融点・ガラス転移点が高くなり、耐熱性も高くなっています。PEEK・PEKKの原料の違い原料の違いは以下の通りです。PEEKはハイドロキノンと4,4'-ジフルオロベンゾフェノンから合成されるPEKKはジフェニルエーテル、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライドから合成されるPEEKは、ハイドロキノン・4,4’-ジフルオロベンゾフェノンが原料になります。PEKKの原料は、ジフェニルエーテル・テレフタル酸クロライド・イソフタル酸クロライドになります。PEKKのほうが原料のコストが安いです。PEEK・PEKKの物性のコントロール物性のコントロールにおける違いは以下の通りです。PEEKは物性をコントロールできないPEKKは原料の割合を変えることで、結晶化度、ガラス転移点、融点をコントロールできる物性のコントロールにおいては、PEKKのほうが柔軟に対応できます。PEEKは物性のコントロールが不可能ですが、PEEKは、原料の比率を変更することで、結晶化度や融点を調整することができます。用途PEEK・PEKKは、非常に高い耐熱性を誇り、機械的強度、電気絶縁性などにも優れている合成樹脂です。厳しい環境下で使用される製品などの材料として活用されています。航空宇宙分野の部品材料自動車のエンジン周辺など高温になる箇所のパーツ材料電線被覆など電気・電子関係の部品材料外科手術で用いる医療製品薬品・溶剤などの製造ラインの部品材料試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris