UV印刷とは、UV(Ultra Violet ray:紫外線)をあてると瞬間的に乾燥・硬化するインキを使用する印刷方式であり、オフセット印刷の一種に該当します。オフセット印刷とは、インキを印刷版から中間転写体(オフセット版)に転写し、さらにそれを印刷対象物に転写する間接印刷の方式です。従来の印刷では乾燥に時間がかかりましたが、UV印刷ではインキの硬化が瞬時に行われるため、乾燥工程が不要になります。これにより生産効率が向上します。さらに、溶剤を含まないUVインクを使用するため、印刷表面のなめらかさにおいて優れています。加えて、UVインキの印刷面には樹脂被膜が形成されるため、インキ自体の耐摩耗性・耐久性が向上します。そのほか、UVインキは光化学スモッグの生成につながるVOC(揮発性有機化合物)や石油系溶剤を使わないため環境にやさしい、といったメリットがあります。こうした特徴から、UV印刷は食品パッケージやホイル紙やペットボトルなどさまざまな製品に利用されています。UV印刷の特徴1. 乾燥工程が不要で生産性が向上UV印刷では、インキにUV光を照射することで瞬時に硬化するため、従来の印刷で必要だった乾燥工程が不要になります。これにより印刷スピードが格段に向上し、短納期対応が可能になります。2. 様々な素材へ印刷が可能UV硬化型インキは、紙やプラスチック、金属、ガラスなど様々な素材に対して高い付着力を持っています。インキが瞬時に乾くため、インキを吸収しないつるつるな表面にも印刷可能です。従来の印刷で難しかった素材への印刷が可能になります。3. 高い耐久性UVインキは、樹脂被膜が形成されるため、紫外線や摩擦、化学物質に対する耐久性が高く、屋外での長期使用に適しています。インキ皮膜が強く、耐摩耗性に優れています。4. 環境に優しいUV硬化型インキには揮発性溶剤が含まれていないため、大気への溶剤放出がありません。また乾燥工程が不要なため省エネルギーにも貢献します。さらに臭気が少ないため、食品や玩具などの印刷にも適しています。5. 印刷品質が安定UV印刷ではインキの乾燥に伴う色変化(ドライダウン)がないため、色の再現性が高く安定した品質が得られます。また、パウダーレスのため表面が滑らかになり、後加工も容易です。UV印刷のデメリット1. コストが高いUVインキは油性インキに比べて2倍以上高価です。またUVランプの消耗品代や電力代もかかるため、全体的に印刷コストが高くなります。2. 光沢が弱いUVインキは硬化が速いため、インキが平滑に広がる前に硬化してしまい、光沢の再現性が油性インキに比べて劣る傾向にあります。3. 黒インキが薄くなる傾向がある黒インキに含まれるカーボンがUV光を吸収してしまうため、十分に硬化できずに黒色が薄く見える場合があります。4. 背割れが発生しやすい硬化したインキ皮膜は強固ですが、折り曲げた箇所などに割れ(背割れ)が発生しやすいという欠点があります。UV印刷の用途UV印刷は食品パッケージやホイル紙やペットボトルなどさまざまな製品に利用されています。インキの乾燥スピードが速いため、ホイル紙やペットボトルなど、インキを吸収しないつるつるした面にも印刷することができます。また、印刷表面がなめらかなため、食品パッケージや高級カタログの印刷などに用いられることもあります。試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris