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摩擦攪拌接合

2024/6/29

摩擦攪拌接合

摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding: FSW)は、1991年にイギリスのTWI(The Welding Institute)で発明された比較的新しい固相接合技術です。 回転する工具を接合する材料に押し当て、摩擦熱と塑性流動を利用して材料を一体化させる接合方法であり、溶接のように材料を溶融させずに接合するため、溶融凝固に伴う欠陥が発生しにくく、高品質な接合部を得ることができます。

摩擦攪拌接合の原理

  1. 接合準備: 接合する材料を突き合わせて固定します。

  2. 工具の挿入: 回転する工具を接合箇所に押し当てます。工具の先端には、ショルダーとピンと呼ばれる部分があり、特にピンが材料の塑性流動を促進する上で重要な役割を果たします。

  3. 摩擦熱の発生: 工具の回転と摩擦により、材料は加熱され塑性状態になります。

  4. 材料の攪拌: 工具の回転により、塑性状態になった材料はピン周辺を軸に攪拌され、接合界面が消失します。

  5. 接合の完了: 工具を材料から引き抜き、冷却することで接合が完了します。

摩擦攪拌接合の特徴と利点・欠点

摩擦攪拌接合は、航空宇宙、自動車、鉄道車両など幅広い分野で注目されていますが、以下のようなメリットとデメリットがあります。

利点

欠点

高品質な接合

接合速度が遅い

異種材料の接合

接合可能な形状に制約がある

環境負荷の低減

設備コストが高い

母材以外に必要な材料が少ない

段取りや材料に応じた接合条件の選定にノウハウが必要

添加材による問題が少ない

工具、特にピンの設計・製造技術が重要で、関連特許も多い

利点

高品質な接合が可能

溶融凝固を伴わないため、溶接欠陥(気孔、ブローホール、凝固割れ等)が発生しにくく、高強度・高靭性な接合を実現できます。

異種材料の接合が可能

アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、鋼など、従来の溶融溶接では困難であった異種材料の接合も可能です。例えば、アルミニウムと銅、ハイテン材とアルミニウム等の組み合わせが挙げられます。

環境負荷の低減

溶接材料やシールドガスが不要なため、環境負荷が低く、省エネルギーな接合方法です。

母材以外に必要な材料が少ない

添加材を使わずに母材同士を接合するため、添加材による腐食や欠陥といった問題を避けることができます。

欠点

段取りや材料に応じた接合条件の選定にノウハウが必要

同じ材料を使用しても、段取り方法や接合条件により、接合品質が異なる場合があります。例えば、ツール回転速度、送り速度、ツールの押し込み量(切削で言う切り込みの深さに相当)などを適切に設定する必要があります。

接合速度が遅い

溶融溶接と比較して接合速度が遅いため、生産性向上が課題となります。

接合可能な形状に制約がある

工具形状の制約から、複雑な形状の接合には適用が難しい場合があります。

設備コストが高い

溶接機と比較して設備コストが高額になる傾向があります。

まとめ

摩擦攪拌接合は、従来の溶接技術では困難であった高品質な接合や異種材料接合を可能にする革新的な技術です。今後、更なる研究開発により、上記課題の解決や適用範囲の拡大が期待されています。

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