AS樹脂とは、プラスチック素材の一種であり、アクリロニトリル(A)・スチレン(C)という2種類のモノマーから構成される樹脂です。「アクリロニトリルスチレン樹脂」「エーエス樹脂」と呼ばれます。ここでいうモノマーとは、プラスチックを構成する最小単位の要素であり、このモノマーが結合(重合)して高分子化することでプラスチックは安定化します。AS樹脂の製造では、異なる性質を持った2種類のモノマーを組み合わせ、配分を調整することで、強度・耐久性に優れたプラスチックを製造できます。ガラス繊維を混ぜて生成することで、さらに強度を向上させることも可能です。AS樹脂の特徴としては、透明度の高さや耐熱性・耐衝撃性の高さが挙げられます。レンズなどの外観を左右する自動車パーツや、ジューサーなどの家電製品パーツ、スキー版などのレジャー用品、歯ブラシなどの雑貨製品に用いられています。AS樹脂の特徴AS樹脂の特徴は大きく4つあります。透明性が高い:スチレンのモノマーを含むため、PS樹脂(ポリスチレン)のような透明度を持つ耐熱性・耐久性・耐薬品性に優れている:強度が高い炭素繊維の原料にもなる、アクリロニトリルのモノマーが含まれており、耐久性などに優れいてる加工性が良く、成形しやすい:熱可塑性樹脂に該当するため、成形しやすいリサイクルしやすい:AS樹脂はリサイクル可能な樹脂であるA樹脂は、ポリスチレン樹脂のような透明度を保ちつつ、耐熱性・耐久性などを向上させた樹脂です。80℃~100℃ほどの熱では変形せず、酸・アルカリなどの薬品で劣化しづらいといった特徴を持ちます。弾性が高く、落下するなどして衝撃を受けても簡単にこわれません。一方、アルコールに弱い点には注意が必要です。長いあいだアルコールに接触した場合、少しずつ不透明になるなどの劣化が生じます。そのためAS樹脂はアルコールを保存する容器などに向いていません。ABS樹脂との違いABS樹脂とは、アクリロニトリル(A)・ブタジエン(B)・スチレン(S)という3種類のモノマーから構成される合成樹脂です。AS樹脂にはブタジエン(B)が含まれていませんが、これはゴムのような性質を持ち、耐久性を向上させるモノマーです。ABS樹脂は、AS樹脂よりも柔軟性がある点が特徴です。また表面に艶があり、AS樹脂よりも見た目が綺麗な樹脂になります。そのため、ABS樹脂は製品の外観の美しさに関わるパーツの製造などに用いられることが多いです。アクリル樹脂との違いアクリル樹脂は、AS樹脂と異なるプラスチック素材です。新型コロナウイルスの流行時に仕切りとして用いられたプラスチック板などにアクリル樹脂が用いられていました。ガラスよりも透明度が高く、軽量であり、耐久性が高い(割れにくい)という特徴を持ちます。AS樹脂と比較すると、アクリル樹脂は耐熱性・耐薬品性において劣ります。AS樹脂が80℃~100℃の熱に耐えられるのに対し、アクリル樹脂は70℃~90℃ほどの温度までしか耐えられません。加えて、アクリル樹脂はアルコールやベンジン、シンナーに弱く、比較的耐薬品性が低いプラスチックとなります。試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris