メタクリル樹脂とは、プラスチック素材の一種であり、透明性・強度に優れた合成樹脂です。一般的に「アクリル樹脂」「アクリルガラス」と呼ばれるものです。「PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)」と呼ばれることもあります。透明性が高く、紫外線による変形・変色が生じにくいといった特徴があるため、航空機の風防ガラスなどに用いられることも多いです。身近な製品例としては、新型コロナウイルスが流行した際に設置されていた、机・テーブルのパーテーション(仕切り)が挙げられます。耐薬品性・耐油性・耐ガソリン性も高く、自動車部品や看板、建築材料などにも用いられています。アクリル樹脂の歴史は古く、日本では1938年頃から製造されています。当時からその透明度・対候性が注目され、風防ガラスなどに用いられていました。その後、技術の発展により、樹脂の原料となるモノマーを低コストで製造できるようになった結果、さまざまな分野で活用されるようになりました。メタクリル樹脂(アクリル樹脂)の特徴メタクリル樹脂(アクリル樹脂)のメリットは、大きく3つあります。透明性が高い:全光線透過率(ガラス・フィルムの透明性を示す数値)は92%ほどと非常に高い。通常のガラスの全光線透過率は90%ほどであり、アクリル樹脂よりも低い対候性に優れている:プラスチックのなかには紫外線によって劣化するものもあるが、アクリル樹脂は紫外線による影響が少なく、屋外で使用する製品に向いている加工がしやすい:注型加工や押出加工、真空成型加工などさまざまな加工に対応できる。着色もしやすく、色鮮やかな表面を持つ製品に仕上げることも可能一方でデメリットは3つあります。有機溶剤に弱い:有機溶剤に接触すると、劣化が生じる。特に、ケトンやエステル、芳香族といった薬品に弱い衝撃に弱い:硬度が高いため、衝撃によって割れやすい耐熱温度が低い:連続耐熱温度は60℃~87℃と、他のプラスチック素材と比べて低いメタクリル樹脂(アクリル樹脂)の製造方法アクリル樹脂は、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート・MMA)というポリマー、あるいはアクリル酸メテル(アクリレート)というポリマーから構成されます。さまざまな製造方法がありますが、代表的な手法は以下の通りです。懸濁重合法:反応釜のなかに水とモノマーを入れ、モノマー同士の結合(重合)を促す手法。モノマーが重合することでビーズ状のポリマーが得られる。これを押出機にかけてペレット状の製品にする溶液重合法:溶剤とモノマーを反応釜に入れてモノマーの重合を促す手法。ポリマーが形成されたら押出機にかけてペレット状の製品にするアクリル樹脂の板を作る場合など、下記の方法がとられることもあります。セルキャスト法:2枚のガラス版によってモノマーを封入し、重合・固化させる手法押出法:ポリマーを押出機で加熱し、シート状のポリマーを押し出す手法試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris