チタン(Ti)は、地球上に豊富に存在する軽金属の一種で、1790年にイギリスで初めて発見された金属元素です。その後1910年に純度99.9%の金属チタンの抽出に成功し、本格的な実用化が進みました。他の金属と比較して軽く、強度・耐食性に優れるなどのメリットがあり、様々な産業分野で活用されています。航空機や宇宙開発、自動車、医療機器など、軽量性と高強度が求められる分野で利用されています。チタンのメリットチタンのメリットは以下の通りです。1. 高強度・高耐熱性チタンは軽量でありながら、鉄の約2倍の高い比強度(強度/密度比)を持つという特徴があります。また、融点が約1660℃と高く、高温環境下でも強度を維持できます。靭性も非常に高く、ばねのように戻る力は鉄の約二倍あります。2. 優れた耐食性チタンは空気中の酸素と反応して酸化被膜を形成するため、酸やアルカリ、塩水などに対して極めて高い耐食性を示します。比較的さびにくいアルミニウムよりもさびにくく、「錆びない金属」としばしば評されます。耐海水性も高く、海上で用いられる製品・パーツの材料にも使われます。3. 軽量チタンは鉄の60%の比重であり、銅の50%の軽さを有します。比較的軽い金属になるので、スポーツ用品や日用品の素材として適しています。4. 生体適合性チタンは人体に無害で金属アレルギーを起こしにくいため、医療分野でも人工関節や歯科インプラントなどに使用されています。金属のイオンによって発生する毒性が低く、アレルギーが発生しにくいのです。熱伝導率が低いことも生体適合性が高い理由の一つです。5. 非磁性チタンは非磁性体のため、MRI装置の検査台や精密機器の部品に適しています。チタンのデメリット一方で、チタンには以下のようなデメリットもあります。1. 高価格製造時に多量の電力を必要とするため、ステンレスの約10倍の高価格になります。チタン鉱石という原料から四塩化チタンという中間材料を作り、その後スポンジチタンを製造する……というプロセスにおいて、チタンを還元・真空分離させるために膨大な電気量が必要となります。大量生産できないため、他の鉄鋼材料よりも大きなコストがかかります。2. 加工の難しさチタンは熱伝導率が低いため、切削加工などを行うと工具に熱が蓄積します。これにより、工具に大きな応力がかかり、工具の摩耗・破損につながります。加工を行う際は、専門知識・スキルが必要になる金属材料だといえます。チタンの種類チタンは、純チタンとチタン合金の2種類に大別されます。純チタン純チタンとは、純度が高いチタンのことであり、JIS規格で1種から4種まで分類されています。1種が最も純度が高く、2種が最も一般的に使用される純チタンに該当します。チタン合金チタン合金は用途によって必要な機械性質を向上させた合金のことです。α型、β型、α+β型の3種類に分けられます。α型合金:アルミニウムを添加したチタン合金。高い耐熱性と低温化の強度が高いが、加工性が悪いβ型合金:非常に高強度を持つが、高温に弱いチタン合金α+β型合金:強度、延性、靱性に優れ、さまざまな用途で利用しやすいチタン合金用途チタンの優れた特性から、以下のような様々な分野で利用されています。航空宇宙分野:エンジン部品、機体材料など自動車分野:バルブ、サスペンションなど医療分野:人工関節、医療器具などスポーツ用品:ゴルフクラブ、自転車フレームなど船舶・海洋分野:船体の防食被覆など試作品に関するお悩みなら346にご相談ください 「新商品開発の依頼先がたくさんあってコミュニケーションが大変...」「どの部品をどの加工方法でつくればいいかわからない...」「図面を作るのが手間..3Dで出図したい...」 そんなお悩みがあれば、ぜひ346にお問い合わせください。弊社346は、製造業に特化し、様々な専門家を有するメンバーで構成された組織であり、新商品の企画・設計・試作の支援など、製品開発全域にわたる総合支援を行っています。346の支援実績についてはこちらからご確認下さい。Wrriten by 346 inc. with Xaris