”346 COMPANY LOG”では、株式会社346の会社のことや、346で働く人について情報発信しています。今回は346初の社員であるプロダクトデザイナーのWさんにお話を聞きます。入社して2年半、日々の業務や346で得た成長、会社の空気感など多岐にわたりうかがいます。仕事のやりがいやチームメンバーの話題では、346らしいプロフェッショナル感が滲み出るお話になりました。社員 Wさん桑沢デザイン研究所を経て、346に参画。これまでには、日用品、医療機器、IoTデバイスなど様々な工業製品のデザインを経験。ー Wさんは、代表の菅野さん、三枝さんが講師を務めた桑沢デザイン研究所の授業を受講したのがきっかけで入社されているんですよね。Wそうなんです。飲料機材のインターフェースについて考える授業でした。今まで自分が利用していた体験から課題を解決できる仕組みを考えてみたところ、「使用シーンだけでなく流通に関する課題も意識していて良い」と評価してもらえて、楽しく授業を受けられた記憶があります。ー 他の会社は検討しなかったのですか?W検討はしていました。ただ、346は会社の規模が小さく、携わる領域や仕事の種類が多いのかなと思って、すごく興味が湧いたんです。また、デザイナーはアーティストのようにセンス重視と思われる方も多いですが、実際は企画力やコミュニケーションが重要です。私は特にそこを伸ばしたいと考えていましたし、346が探している人材もそういう人だと聞いて、マッチングを感じたんです。授業を通して長い期間コミュニケーションを取っていた信頼感から、頑張っていけるという実感もありました。ー デザインの道に進んだのはどういう経緯なのでしょうか。W元々絵を描いて形を考えたり、企画をすることが好きで、プロダクトデザインの仕事について知ってすぐ桑沢デザイン研究所に入学しました。入学後も一度自分を見直したくて、他の仕事も経験してみました。銭湯の番台とか、ハウスキーパー、ベンチャー企業から大手まで……色々やってみました。けど、やっぱりデザインに関わるのが楽しかったなと思い至った時に、菅野さん三枝さんと出会い、入社を決めました。デザイン、設計、PM、イラストまで網羅的に携わる環境ー 入社して2年半。現在のポジションと業務を教えてください。Wプロダクトデザイナーとしてのデザイン業務をメインに、プロジェクト管理(プロジェクトマネージャー)的な役割や、資料や広報に必要なイラスト制作、自社製品のカスタマー周りや運用フロー設計、事務的なことまで幅広く携わっています。自社広報コンテンツに使用されているイラストはWさんの描いたもの。https://note.com/346designー 本当にあらゆることを。デザイン業務の中身は具体的にどんなことでしょうか?W造形を考えて絵に起こすものもあれば、必要な機能を検討する企画から入ることも。説明資料の作図やイラスト制作、CADを使って設計の補助などもします。ものづくりのプロジェクトは、クライアントからの受託開発と、自社製品の開発の2種あって、社内でプロジェクトごとにアサインされたチームの中で、デザイン部分の役割を担います。例えば飲料を供給する機械の筐体を考える仕事では、プロジェクトオーナーである三枝さんが作った原型から展開した筐体デザイン案を数十種検討しました。多くのデザイン案を検討したのはクライアントに幅広いアイデアを提案するためですね。ー 数十種!その際には、各アイデアがかぶらないよう、もちろん機能として成立するかも考慮しつつ、ものの姿かたちを絵にしていくのですよね。Wそうですね。この例だと近い機能を持った機械、コーヒーサーバー等を参考にしたりして、ノズルやボタンをどう置くかは自分で考えました。ー 加えてPM的な動きもされているのですね。Wそうですね。クライアントとのコミュニケーションの窓口や、進行管理も行いますね。クライアントが要件をイメージしきれていない部分は企画を詰めるところから入りますし、スケジュールを引くところから、という場合もあります。ー 346は制作部分だけの外注というより、クライアント社内も含めて旗振りをしているのですね。Wそうですね、「とにかく新しいものが欲しいんだ」くらい粒度の粗い出発点のこともあります。その場合は企画から考えてプロジェクトも牽引して生産管理や流通まで、全部ではないですけどクライアント内部の社員くらいに深く関わりますね。小規模組織だからこそ、ものづくり以外からも学び力がつくー ここまでうかがうと、ものづくりにまつわることにかなり幅広く携わってらっしゃいますね。どんなことにやりがい・面白さを感じるでしょうか?W引いたスケジュール通りに物事をすすめることにやりがいを感じています。ゲームじゃないですけど、いかに予想通りにできるか、そういうところで達成感を味わっていると思います。ー デザインやものづくりにまつわる点ではないのが意外ですね。Wもちろんデザインのアウトプットが評価されるのも嬉しいんですけど、結構苦しんだ末に出したものよりも、数時間で考えたものの方が評価されることもあるんですよね。しかも法則も特に見当たらない。なので、頑張りと評価がイコールではないので評価されても浮かれないでおこう、と思っているんです。タスクやプロジェクトが終わった瞬間はもう、「終わった」という事実が結果なので。こんなこと言ってどうなのか……。笑でも、そう思うからそのままお伝えしちゃうんですけど。プロジェクトの進行は内部外部問わず様々なトラブルがあったり、クライアントごとに環境や体制が違う中、どう予測し乗り越えるか……、という仕事としてゴールも明確ですし。ー クライアントワークをしている346ならではのお答えが聞けたと思います。W他社のデザイン職では絵を描いてばかりです、というケースもあると聞きます。そうすると本当に良い絵が描けるかどうかが自分の価値になってしまいがちですよね。でもそれだけでモチベーションを保つのは、私は難しいなと思っていたので、プロジェクト自体の評価をしてもらうのはデザイン会社らしくないかもしれませんが、私には合っているなと思います。色々なことに携われる環境ならではの楽しみですよね。ー 業務の幅広さは、働くインセンティブにもなり得ますよね。と同時にビジネスの基礎にもしっかり向き合っているということがよく分かります。力がつきそうですね。Wそうですね、ビジネスの基礎力で言うと、仕事を通して新しいものの見方を会得できたと思います。コミュニケーションは発信側と受け手側のどちらに責任があるか、という話を代表としたのが印象的でした。これまで、受け手の理解力にフォーカスしがちだったので、発信側にもできることがあるのか、と説明を具体的にしたり、説明のための準備をすることができるようになりました。デザインの面でも、ものづくり全体に携わるようになり、製造する側・流通の視点が自分に加わり、街を歩いていても製造工程を想像したり「あれを量産したのすごいな」など思うようになり成長を感じます。ー 逆に、仕事の中で難しさや壁を感じることを教えてください。W表裏一体だと思うのですが、大きな会社ではない分、手厚いフォローを受けられるわけではありません。なのでいつもヒヤヒヤはしていますね。自分の代わりがいないとか、多忙な時にヘルプがもらえるような余白がチームになかったり、チェックの層が厚くないことも。プロジェクトの進行が自分の手にゆだねられているので、プレッシャーは常々感じています。キラキラしてない系、実直で強固な居心地の良いチームー 346の特徴として、メンバーの経歴や実績が豊かで、得意分野もそれぞれ違う精鋭が集まっている点があると思います。日々この中で仕事をしていてどのように感じていますか?W確かに346って、スキルも個性もバラエティに富んでいますよね。でも、パーティバランスがすごく良いんです。各分野のプロフェッショナルな人、あらゆる山場を乗り越えているベテランが揃っているので、みんなピンチにも強い。学びも刺激も多く心強いです。ー 総勢十数名程度の会社規模でスキルバランスが良いというのは、とても珍しいですね。幅広く網羅的に業務に携われることと、豊富なナレッジが存在する、というのが両立している環境ということですね。W346にはベテランの方々も多くいるのですが、その方の仕事の姿勢も勉強になります。早期退職を経て346に入社したエンジニアの方が「パソコン開くのが楽しくて楽しくてね」と仰るんですよね。同年代が生活のために仕事をしている人が多い中、仕事を楽しむ姿勢・捉え方をしている人を間近で見ることができるのは、自分の未来において希望になります。ー おお、仕事にアツいベテランメンバー。いいですね。Wでも、会社全体が暑苦しい空気じゃないので気に入っています。346のメンバーは、寛容でおおらかな人が多く自由な雰囲気ですね。ー 飲み会でものづくりについてアツく語る!!とかはしないのですか?Wたまに会社の節目に食事会、などはありますが、頻繁な飲み会などはないですね。そのほど良くクールな距離感も気に入っています。それぞれが自律的に動けるからこそですが、良いフリーダムさもあります。ー プロフェッショナルの仕事場、という印象を持ちます。Wまぁ正直、キラキラしてるかって言われたらそうじゃないと思うんですけど、真っすぐものづくりに向かって実直に仕事をしている、居心地がいい会社です。ー 今後目指していることや目標があれば教えてください。Wつい最近、自社製品が発売されたのですが、別の商品も展開してメーカーのような仕事が増えるのが楽しみです。調達など大変ではあるんですけど、この規模の会社でメーカーの一連の流れを経験できるのは、かなり良い経験です。あとは、設計の理解を深めたいと思い、筐体設計について勉強しています。メンバーに設計分野の人が多い体制になってきているので学びやすい環境なんです。設計はスキルとしても汎用的なので、自分の力にもなると思っています。ー 実地で行いつつ近くで学べる、346の環境ならではですね。ありがとうございました。(取材・文:橋尾 日登美)