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プロダクトデザインの料金の相場は?内訳や事例、依頼時の注意点も解説

2024/3/2

プロダクトデザインの料金の相場は?内訳や事例、依頼時の注意点も解説

プロダクトデザインの依頼を行う際は、依頼後のトラブルなどを回避するためにも、料金の相場や費用項目などのポイントを知っておく必要があります。

本記事では、一般的な相場や費用内訳、支払い方法、依頼時の注意点など、あまりWEBなどで情報開示されていない様な具体的な部分についても触れていきます。デザインの活用を検討されている方や、現在開発している製品でプロダクトデザインの依頼したい方などは参考にしてください。

筆者経歴

株式会社346
創業者 共同代表 菅野 秀

株式会社リコー、WHILL株式会社、アクセンチュア株式会社を経て、株式会社346を創業。これまで、電動車椅子をはじめとする医療機器、福祉用具、日用品などの製品開発および、製造/SCM領域のコンサルティング業務に従事。受賞歴:2020年/2015年度 グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)、2021年/2017年度 グッドデザイン賞、2022年 全国発明表彰 日本経済団体連合会会長賞、2018 Red dot Award best of best、他。アイティメディア株式会社の情報ポータル「Monoist」で連載中

1. プロダクトデザインとは

まず、本稿でのプロダクトデザインとは、さまざまな工業製品(プロダクト)を設計することや、その成果物を意味します。

具体的には、家電製品や業務用製品などのデザインが挙げられます。WEBサイトやアプリなどの無形物の設計もプロダクトデザインに含まれますが、本寄稿の範囲からは除外致します。

似たもので「インダストリアルデザイン」という言葉がありますが、本稿においては「プロダクトデザイン」と同等の内容を意味します。

2. プロダクトデザインの料金相場|数十万円~数千万円

プロダクトデザインの料金は製品の複雑さや依頼する企業によって大きく異なる為、一概に相場を提示するのが難しい業界です。

インターネットでは30万〜80万程度という情報もありますが、場合によってはその料金に抑えることができません。例えば要件が複雑な場合や、試作回数に伴い設計・デザインを複数回繰り返す場合には、数十万円を大きく超え、商品企画の開始から上市までの通算デザイン費が1千万円を超えるケースもあります。

プロダクトデザインにかかる料金は、主に以下の要因によって変動します。

  • 製品カテゴリ:日用品、家電製品、産業装置などの製品分類の違い

  • 依頼先:デザインを依頼する会社または個人の違い

  • 契約内容:業務範囲や報酬条件などの違い

  • 作業明細:アイデアスケッチ、3Dモデリング、など具体作業や成果物の違い

なお、この他にも料金が変動する様々な要因があります。そのため「1製品当たりの相場」を意識するというより、「どんな作業をどれくらいのボリュームを依頼する必要があるのか」を見極めて価格の妥当性を判断することをお勧めいたします。

なお、工数での契約をする場合に限る為あくまで参考値ではありますが、デザイナーの国内の人月単価は100万円~300万程度と言われており、エンジニアやコンサルタントとさほど変わりません。

以下では、上記で挙げた項目について詳しく解説していきます。

(1)製品カテゴリによる料金の違い

デザインの料金相場は製品カテゴリや依頼企業によって差があります。

日用品、家電製品、産業装置などの製品カテゴリ(分類)によって開発難易度が異なる為です。検討すべき要素が多く、要件が難しいカテゴリほど料金が高くなることが一般的です。

検討すべき要素のなかには、部品点数以外にも、コミュニケーションが必要な関係者数や、考慮すべき制約などが含まれます。これら要素が多い場合、作業ボリュームも大きくなり、結果として料金の増加につながります。

(2)依頼先による料金の違い

プロダクトデザインのデザイン料は、その他の業態(システム開発、税務、出願依頼など)と比較すると、デザイン会社毎に料金の差が大きい傾向があります。

依頼先が有名なデザイン会社であったり、実績の豊富な会社であるほど料金が高くなるのが一般的です。

有名な会社や経験豊富な会社は、業務品質が高いだけでなく、依頼元が当該デザイン会社・デザイナーのネームバリューも得られるため、料金に差が現れます。限られたケースではありますが、リブランディングや注力する製品の発表の際、担当したデザイナーやそのデザイン会社の名前を公表し、世間の注目を集める例などもみられます。

また、個人で活動しているフリーランスのプロダクトデザイナーに依頼する場合は、比較的費用が抑えられる場合が多いです。しかし一般的にフリーランスは与信が低いため、依頼元企業のポリシーによっては発注自体ができない場合があるので留意が必要です。

(3)契約内容による料金の違い

プロダクトデザインの依頼には、さまざまな契約の種類があります。その契約内容によって業務の進め方や料金の算出基準が異なります。

代表的な契約としては、以下の3つが挙げられます。

依頼内容

概要

コンサルティング契約

依頼元の要求に基づき、中長期的な事業ブランディングやデザインの相談、商品開発プロジェクト全体のデザイン相談などを行う

請負契約

依頼元の要件に基づき、任意の製品のデザイン開発を行なう

ライセンス契約

提案及び制作したデザインに対して、依頼元がライセンス料を支払う

(4)作業明細による料金の違い

プロダクトデザインとひとことでいっても、その中には様々な作業や成果物があります。

特に請負契約で成果物を定義する場合や、準委任契約で作成物の認識を合わせる場合などは、具体的にどんな作業や成果物が発生するのかによって、作業工数や料金に大きな差がでます。

また、デザイン会社が提案する「デザイン案の数」によっても料金が変動する場合があります。

一般的に提案数が多いと料金が増えます。ただし、極端に提案数が少ない場合は、両者にとってリスクになることもあります。そのため初期のデザイン検討では複数案を提示するのが一般的とされています。

以下にプロダクトデザインの依頼で発生する作業とその成果物の例を上げます。作業項目は企業や案件によっても様々ですので、あくまで参考としてご覧ください。

項目

アウトプット(例)

費用算出の単位(例)

製品コンセプト開発

製品コンセプトの概要、イメージ画像(jpg、pdfなど)

案数

アイデアスケッチ

スケッチ画像(jpg、pdfなど)

案数、スケッチ枚数

製品デザイン

デザイン検討資料(jpg、pdfなど)

案数

3Dモデリング

3Dモデルデータ(STEP、IGES、など)

案数、作業時間

3Dレンダリング

レンダリング画像(jpgなど)

カット数

素材選定と表面仕上げ指示

制作指示書(ppt、pdfなど)

件数

プロトタイプ制作

ペーパープロトタイプなど

台数

人間工学的評価

人間工学評価レポート

件数、作業時間

製造性検討とコスト評価

製造評価レポート(ppt、xlsなど)

件数、作業時間

プレゼンテーション資料作成

プレゼンテーション資料(ppt、pdfなど)

件数、作業時間

3. プロダクトデザインの支払い方式

契約方式の内容とも重なりますが、プロダクトデザインの支払い方法には、複数の種類があります。その他の業務委託で行なわれる支払い方法と基本的には同様のものも多いですが、いくつか代表的な支払い方法を紹介致します。

  • イニシャルフィー

  • ロイヤリティ

  • 時給払い

  • 定額払い

(1)イニシャルフィー(前払い)

イニシャルフィーとは前払いを意味します。必要なデザイン業務に対して定められたデザイン料を作業着手前に支払う方式のことです。

依頼元の与信がない場合や、着手後にデザイン会社の持ち出しが多くなってしまう場合などに用いられます。

発生した知財(知的財産権)が発生都度依頼元のものとなるか、納品をもって依頼元のものになるかなどは契約内容に依存します。イニシャルフィーは、後述する「後払い」と併用して運用される場合もあります。

(2)後払い

多くの場合は後払いの方法が用いられます。後払いは、作業や納品が終わった段階(プロジェクト終了時)に支払いを行います。

知財の取扱いについては、イニシャルフィー同様、契約によって異なります。しかし後払いの場合は、納品または支払いをもってデザイン会社から依頼元に知財が移管される場合が多いです。

(3)ロイヤリティ

ロイヤリティ契約は、知的財産権を持つ者がその権利を他者に許可する方法の一つです。ロイヤリティ契約では、例えばデザインを提供した製品売上の一部を報酬として支払います。例えば、該当期間の売上金額の数%を定期的に支払う、という様な方法が用いられます。

これに限らずロイヤリティの契約内容にはさまざまな種類があります。一定の販売数に達したらロイヤリティの割合を減らす契約や、「販売数〇〇に達した際に〇〇万円支払う」といった契約、他の支払い方法ーとロイヤリティを組みわせた契約もあります。

(4)定額払い

定額払い(後払いの一種)とは、年ごと・月ごとに一定の金額を支払う方式のことです。デザインのコンサルティング業務を依頼する場合などは、定額払いをすることが多いです。

定額払いでの契約をしている場合も、計画されている作業料を越えてデザイン業務を行なう場合は別途費用が発生します。

4. プロダクトデザインを依頼する際のポイント

プロダクトデザインを依頼する際、抑えておくべきポイントはいくつかありますが、以下で代表的な3点を解説します。

  • 要求事項と制約を明確にして依頼をする

  • 予算や修正回数、納期などを明確に決定する

  • 依頼先のデザイン会社の得意領域を確認する

(1)要求事項と制約を明確にして依頼をする

プロダクトデザインの依頼をする際は、具体的な要求事項と制約を明確にしておくことが重要です。

例えば、製品のコンセプト、予定している機能、ターゲットユーザー、販売価格などの前提条件や、現在使用使用としている内部部品などの情報をデザイナーに提供する必要があります。

加えて、要求または要件が定まっていない部分について伝えることも重要です。これらの条件があいまいなままデザインを進めてしまうと、実現不可能なデザインの提案がでてきてしまうなど、手戻りが発生してしまう可能性があります。逆に、過度に要件を狭めすぎてしまうとデザイナーの自由な発想を抑え込んでしまうことにもつながります。

そのため検討状況や開発スケジュールなどを考慮したうえで、情報提供することが望まれます。

要求や制約が明確でない場合、デザイナーとの意思疎通が難しくなり、思い描いた製品の提案されたデザインとのギャップが生じる可能性があります。そのためもしも要求や制約の提示が困難な場合は、デザイン会社と会話しながら要求や制約事項を明確にしていく方法も有効です。

(2)予算や修正回数、納期などを明確にする

デザインの依頼をする際は、基本契約に定められた内容以外にも、予算や開発スケジュール、修正回数、納期などを別途明確にする必要があります。

特に期間中に何回のレビューと修正を行なうか、その他部門の開発スケジュールと整合されているか、などの計画は重要です。途中で考慮すべき要求が増えて修正回数が増えるなどする場合は、追加料金が発生したり依頼先とのトラブルになることもあります。

また、制作にかけられる期間や打合せの回数は費用総額にも影響します。そのためもしすでに予算が定められている場合は、最終納期以外にも、レビューなどのマイルストーンや、レビューで確認するアウトプットの数・品質の定義を確認しておくことが必要です。


(3)依頼先のデザイン会社の得意領域を確認する

プロダクトデザインといってもその領域は様々であり、デザイン会社各社が得意としている業界があります。

普段雑貨をつくっている会社に飛行機をつくって欲しいと依頼ができないように、依頼先の会社が何が得意で、これまでにどんな実績があるのか確認せずに仕事を依頼してしまうと、期待通り成果を得られないため、注意が必要です。

得意領域や実績の他にも、所属しているデザイナーの経歴や受賞歴なども客観的な指標のひとつです。デザイン賞を受賞しているデザイナーが必ずしも優れているとは言えませんが、優れているデザイナーであれば何らかのデザイン賞を受賞していることが多いです。

また、デザイン会社の提供するサービスやアプローチについての情報を収集することも重要です。工業デザインにおいては、コンセプトデザインが得意なのか、量産デザインが得意なのかなど会社によってばらつきがあります。

「量産のデザインをしたかったのに、デザイナーの案では製造性について考えられていなかった」
「デザイナーの案をそのまま設計してみたらまったくコストに見合わなかった」
「デザイン図はきれいだったのに、実際つくってみたらとても使いづらかった」


こうした状況は、普段、工業製品や量産案件を手掛けていないデザイン会社に工業製品のデザインを依頼をした際、よく目にする事案です。

したがって、リスクを回避するには、自社が依頼する事業の業界、開発フェーズ、期待値がどんなものであるかと依頼先の企業の得意領域を突き合わせた上で、デザイン会社への依頼をすすめる必要があります。

8.プロダクトデザインの開発でお悩みなら346へ

プロダクトデザインの開発では、企画の立案から制作まで、さまざまな知識・スキルが要求されます。デザイナーの力量にもバラつきがあるため、料金の相場にも幅があります。

そのため「どこのデザイン会社に頼めば良いのかわからない」という悩みを持つ担当者も多く見受けられます。

弊社346は工業製品、とくに家電製品、医療機器、インフラ、産業機器などのエレクトロニクス領域の製品開発を総合的に支援しております。デザイナーをはじめ、各種エンジニアなども所属しており、様々なニーズにご対応可能ですので、お気軽にご相談、御見積依頼ください。

株式会社346について 

【会社概要】 

会社名:株式会社346 

本社:〒370-0059 群馬県高崎市椿町24-3(2F) 

東京営業所:〒184-0012 東京都小金井市中町2-24-16 

農工大・多摩小金井ベンチャーポート 202号室 (東京農工大学小金井キャンパス内) 

代表者:三枝守仁 

設立:2017年7月21日 

URL:https://346design.com/ 

事業内容: 

デザイン経営を中核にしたものづくりでテクノロジーの民主化を目指す開発・製造総合支援企業。グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)をはじめとし、国内外問わず多くの受賞実績を持つメンバーで構成され、大企業やスタートアップ企業向けの実績多数。企画、デザイン、設計、量産まで、製品開発にかかわる支援をワンストップで提供。

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