製造業界分析第1回です。このコンテンツでは、デザイナーの目線で現在/過去の製造業を分析し、インダストリアルデザインが日本の製造業競争力基盤の醸成やイノベーション創出にいかに関わっていくか考えていきます。「ものづくり大国」と言われてきたた日本ですが、衰退しているとか、過去の栄光だとか、悲観的な見方も多いようです。自然災害やコロナウィルスなど不確実性の高い環境、人材の流出や技術継承、DX推進の必要性、様々な課題はあるでしょう。ですが、私達は日本の国際競争力の源泉は製造業にあると信じています。木を見て森を見ずでは始まらないので、まずは製造業全体の状況を見てみることにしましょう。1. そもそも製造業とは?製造業と言っても、食料品から自動車、電子機器まで幅広い分野が存在します。「原材料を加工して新しい品物を作る生産業(広辞苑より)」であれば、製造業ということになりますが、一つの分類方法として3分類というものがあります。・素材型: 鉄鋼業や化学工業等、他の産業に再度材料として投入される製品を生産する。・加工組立型:素材型で生産された半製品を加工・組立して製品を生産する。・生活関連型:食料品や木製品など。※Wikipediaより抜粋2. 日本における製造業の構成比まずここ10年のGDP構成比の比較です。資料:経済産業省、厚生労働省、文部科学省 2021年版 ものづくり白書掲載データを元に作成実は製造業は日本のGDPの2割を占め、10年前と比較しても割合としては増加していることが分かります。サービス業に次ぐ産業として、日本は製造業で成り立っている国ということです。では、世界と比較するとどうでしょうか。3. 製造業の国際比較資料:IMF 2022年5月2日データを元に作成世界の工場とも言われる中国は製造業のGDP構成比が約40%ありますので突出していますが、中国・アメリカに続いて日本は世界第3位の製造業生産高を誇るものづくり大国であることには変わりません。4. まとめ日本は依然として製造業が経済を牽引するものづくり大国であることには変わりはありません。つまり、製造業の未来は日本の未来と言っても過言ではないでしょう。次回は、イノベーションの担い手でもあるスタートアップに焦点を当てて掘り下げていきたいと思います。