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QC7つ道具とは?新QC7つ道具との違いや使い方をわかりやすく解説

2024/3/2

QC7つ道具とは?新QC7つ道具との違いや使い方をわかりやすく解説

製造業の品質管理(QC)は、製品の質を保ち、顧客からの信頼を得るうえで非常に重要な業務です。品質管理業務では、各種データの収集や整理、分析などを行いますが、その際に活用される代表的な手法が「QC7つ道具」です。

この記事では、多分野・多製品の開発経験がある筆者が、品質管理に欠かせない「QC7つ道具」を解説します。QC7つ道具の概要や特徴、活用シーン、そのほか新QC7つ道具についても紹介するので、製造業に携わる人などは参考にしてください。

筆者経歴

株式会社346
創業者 共同代表 菅野 秀

株式会社リコー、WHILL株式会社、アクセンチュア株式会社を経て、株式会社346を創業。これまで、電動車椅子をはじめとする医療機器、福祉用具、日用品などの製品開発および、製造/SCM領域のコンサルティング業務に従事。受賞歴:2020年/2015年度 グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)、2021年/2017年度 グッドデザイン賞、2022年 全国発明表彰 日本経済団体連合会会長賞、2018 Red dot Award best of best、他。アイティメディア株式会社の情報ポータル「Monoist」で連載中

1. QC7つ道具とは

QC7つ道具とは、品質管理(QC:Quality Control」で用いられる代表的な7つの手法のことです。具体的な手法は以下のとおりです。

  • パレート図

  • 特性要因図

  • グラフ

  • ヒストグラム

  • 散布図

  • 管理図

  • チェックシート

QC7つ道具は、製品に関する各種データを整理・分析し、製造現場における現状や課題を明らかにする際に活用します。特に、

  • 現状や課題を視覚化したい

  • 現在生じている課題の原因を分析したい

  • 各種データの相関関係を明らかにしたい

といった場合には非常に便利です。

なお、一般的なQC7つ道具とは別に、「新QC7つ道具」と呼ばれるツール群もあります。

一般的なQC7つ道具は定量的な数値データの分析で使用されますが、新QC7つ道具は定性的な言語データを整理するために使用されます。それぞれの手法の概要や特徴については後述します。

(1)QC7つ道具の使い方|QCストーリーを理解する

QC業務には、「QCストーリー」と呼ばれるフレームワークがあります。QCストーリーとは、QCの業務を8つのステップに分割する枠組みのことで、それぞれのステップの概要としては以下のとおりです。

QC7つ道具はさまざま場面で用いられますが、上記のステップでいうと、特に「②現状把握」や「⑤課題の要因分析」、「⑦効果測定」などのプロセスで活用されます。

(2)QC7つ道具の覚え方

QC7つ道具の全てのツールを暗記するのは難しいですが、「サンチェ監督引っ張れそう」という語呂合わせで覚えるのが有名な方法です。

  • サン:散布図

  • チェ:チェックシート

  • 監:管理図

  • 督:特性要因図

  • 引っ:特性要因図

  • 張れ:パレート図

  • そう:層別グラフ

2. QC7つ道具

以下では、QC7つ道具のそれぞれのツールついて解説していきます。

(1)パレート図

パレート図とは、数値が大きい順に棒グラフのデータを並べ、折れ線グラフによって累積構成比(各数値の構成比の累積和)を示した図のことです。

パレート図は、例えば、不良品の数などを検証する際に用いられます。その場合はまず、各不良内容(傷やクラッキング、糸引きなど)の件数を棒グラフで示し、またそれぞれのデータの累積構成比を折れ線で表します。

パレ―ト図を使うと、解決すべき課題の優先順位を決定しやすくなります。例えば、全ての製品のうち、「傷」によって不良品になった製品の割合が50%近くあれば、製品の傷を防ぐ施策を優先的に検討する必要があることがわかります。

(2)特性要因図

特性要因図とは、特性(結果)の原因を系統別に表した図のことで、魚の骨に似ているため「フィッシュボーン図」と呼ばれることもあります。

QC7つ道具の多くは定量的な数値データを分析するツールですが、特性要因図は定性的な言語データを解析するツールです。

主な使い方としては、トラブル・課題の原因を特定したい場合や、トラブル発生を防ぐためのチェック項目を洗い出したい場合などが挙げられます。

例えば、「製品の傷」という特性(結果)の原因を分析したい場合は、

  • 機械による原因

  • 製造方法による原因

  • 人による原因

  • 原材料による原因

といった形でグループごとに原因をまとめながら思考を発展させていきます。

特性要因図を使えば、上図のように特性(結果)と原因の因果関係を視覚化することができます。

(3)グラフ

QCでは、さまざまな数値データをグラフにしてまとめ、データの変化傾向などを分析します。

グラフには、折れ線グラフや棒グラフ、帯グラフなどさまざまな種類があります。

それぞれのグラフの活用シーンとしては、以下のとおりです。

  • 折れ線グラフ:データの時系列の変化を可視化したい場合など

  • 棒グラフ:データの数値の大きさを可視化したい場合など

  • レーダーチャート:各データのバランスを確認する場合など

(4)ヒストグラム

ヒストグラムとは、ある区分に属するデータの個数を棒グラフで表したものです。「度数分布図」と呼ばれることもあります。ヒストグラムを活用すると、データの分布(ばらつき具合)を確認することができます。

例えば、製造現場において、製品パーツの寸法のバラつきを確認する際などに用いられます。この場合は、パーツのデータを一定の寸法ごとに分けてカウントし、データの個数を集計します。結果、どの寸法のパーツが多いか/少ないかなど確認しやすくなります。

(5)散布図

散布図とは、特性や要因などの2つのデータの相関関係を確認するツールです。2つのデータを表で横軸・縦軸にとり、点の集合からデータの関係や傾向を分析します。

代表的な散布図における相関関係は3つです。

  • 正の相関:一方のデータが増えるにつれて、もう一方のデータも増える関係。この場合は右肩上がりの散布図になる

  • 負の相関:一方のデータが増えるにつれて、もう一方のデータが減る関係。この場合は右肩下がりの散布図になる

  • 無相関:2つのデータの増減に関係性を見出せない関係。この場合は右肩上がりでも右肩下がりでもなく、ランダムな図が形成される

例えば、ある材料の厚みのデータと製品全体の強度のデータを入力し、右肩上がりの散布図になったとします。例えば、ある材料の厚みと製品全体の強度には正の相関関係がある、という実験結果などは散布図で確認することができます。

(6)管理図

管理図とは、時系列に沿って品質の数値を確認するツールです。一定の品質基準を保つために用いられます。

管理図では、まず品質を表す数値データを設定し、折れ線グラフで表します。そしてグラフに「中心線」「上方管理限界線」「下方管理限界線」という3つの線を引きます。

  • 中心線:平均的な製品の品質を表す線

  • 上方管理限界線:品質の限界を示す線で、この線より大きな数値であれば異常値と判定する

  • 上方管理限界線:品質の限界を示す線で、この線より小さな数値であれば異常値と判定する

管理図は、製品の品質の異常値を発見するためのツールとして用います。そのため「上方管理限界線」や「下方管理限界線」を超えている品質データがあれば、その原因究明にあたります。

(7)チェックシート

最後のツールはチェックシートです。ここでいうチェックシートとは、製造現場の機械のデータを記録したり、日々の作業の実態を正確に把握するための使用され、確認項目毎に記録を行います。特に特定のフォーマットが定められているわけではありません。

チェックシートには大きく分けて2つの種類があります。それぞれ目的に応じて使い分けて使用します。

  • 点検用チェックシート:現場作業のケアレスミスを防ぐためのチェックシート

  • 記録用チェックシート:現場のデータ収集のためのチェックシート

3. 新QC7つ道具

次に、「新QC7つ道具」について解説します、

前述の通り、「QC7つ道具」が定量的な数値データに特化しているのに対し、「新QC7つ道具」は定性的な言語データ(数字以外のデータ)に特化しています。

新QC7つ道具は以下のとおりです。

  • 親和図法

  • 連関図法

  • 系統図法

  • マトリックス図法

  • アローダイアグラム法

  • PDPC法

  • マトリックスデータ法

(1)親和図法

親和図法は、課題の構造を明らかにするツールで、事象の要因をグルーピングして整理する際に用います。親和図法を利用することで、あいまいな事象の因果関係を把握することができ、また適切な課題解決策を検討することができます。

「KJ法」と呼ばれることもあり、KJ法はアイディアの発想を膨らませるツールとして知られています。そのため親和図法はQC以外にも製品開発の現場などで使われることもあります。

(2)連関図法

連関図法とは、課題の因果関係を検討する際に使う手法のひとつです。課題の要因を矢印で結んでいき、要因同士の因果関係を明らかにしていきます。

前述した特性要因図と似たフレームワークですが、木の根から派生させるように要因を記述していく特性要因図と違って、連関図法は要因同士の関係を比較的自由に結んでいきます。

連関図法は、複雑な問題の根本的な原因を探りたいときに適したツールだといえます。

(3)系統図法

系統図とは、目的達成のための手段を検討する際に用いるツールです。

設定した目的を達成する一次手段を検討し、そしてその一次手段を可能にする二次手段を検討し……という形で、目的と手段をそれぞれ深堀りします。三次手段、四次手段、とさらに階層を追加することもできます。

系統図は、課題解決のために必要な手段を網羅的に検討したい場合に役立ちます。

(4)マトリックス図法

マトリックス図法とは、表を使って要素の関連性を確認する手法のことで、マトリックス・ダイヤグラムとも呼ばれます。上記のイメージ図のように、各要素の関係を一挙につかむことができるので、全体を俯瞰的に検討したいときに用います。

前述した連関図で検討した要素の関係性をマトリックス図法で整理するのもお勧めです。

(5)アローダイアグラム法

アローダイアグラムは、矢印を使って日程計画をまとめるためのツールです。矢線図やPERT図と呼ばれることもあります。

取り組むべき課題と、実施すべき施策を検討した後、施策の日程を決める際に用います。アローダイアグラムを使うと、各施策(作業)同士の関係や、全体のスケジュールを明確にすることができます。

ガントチャートと同じく、プロジェクトの作業を管理する手法となりますが、それぞれ特徴が異なります。二つの違いを以下に示します。

【アローダイアグラムとガントチャートの違い】

アローダイアグラム

ガントチャート

管理する情報

・プロジェクトの作業の流れ

・プロジェクトの作業

特徴

・作業同士の関係性がわかる

・作業の進捗状況がわかる

向いているプロジェクト

小規模のプロジェクト向き

大規模のプロジェクト向き

(6)PDPC法

PDPC法は、ゴールまでのプロセスをチャートで表す手法です。プロセスのなかで発生し得る障害を事前に予測し、その回避策や手段の分岐を検討する際に用いられます。なお、「PDPC」とは「Process Decision Program Chart」の略であり、日本語では「プロセス決定計画図」と呼ばれます。

PDPC法は二種類あり、それぞれ特徴が異なります。用途に応じて使い分けましょう。

【PDPC法の種類】

強制連結型PDPC

逐次展開型PDPC

概要

プロセスがゴールまで必ず結びついているタイプ

プロセスがゴールまで結びつかなくても良いタイプ

活用シーン

・ゴールまでのプロセスについて情報共有する場合

・PDPC法を使いながら、ゴールに到達するプロセスについて整理/検討する場合



(7)マトリックスデータ解析法

マトリックスデータ解析法は、マトリックス形式で集めたデータを分析・解釈する手法です。

マトリックスデータ解析法では、主成分分析という統計学の手法によって収集したデータを分析します。ここでいう主成分とは、データの特徴や傾向を表す要素のことです。主成分分析は、数値データの相関関係や傾向を確認する際に用いられます。

例えば、製品(プリンタなど)の使用温度環境と湿度環境などの2水準と製品の不具合発生率(印字不良など)の相関性をみる際などに活用できます。

4. 製造業の品質管理でお悩みなら346へご相談ください 

QC7つ道具・新QC7つ道具は、各種データを分析する際に役立つフレームワークです。古くからあるツール群ですが、簡単に使えるものも多く、現代でも十分に活用できます。品質管理の知識を深めるためにも理解する価値があります。

「自社の品質管理業務を改善したい」という方は、弊社346の製品開発支援をご検討ください。

346は工業製品、とくに家電製品、医療機器、インフラ、産業機器などのエレクトロニクス領域の製品開発を総合的に支援しております。デザイナーをはじめ、各種エンジニアなども所属しており、様々なニーズにご対応可能ですので、お気軽にご相談、御見積依頼ください。

株式会社346について 

【会社概要】 

会社名:株式会社346 

本社:〒370-0059 群馬県高崎市椿町24-3(2F) 

東京営業所:〒184-0012 東京都小金井市中町2-24-16 

農工大・多摩小金井ベンチャーポート 202号室 (東京農工大学小金井キャンパス内) 

代表者:三枝守仁 

設立:2017年7月21日 

URL:https://346design.com/ 

事業内容: 

デザイン経営を中核にしたものづくりでテクノロジーの民主化を目指す開発・製造総合支援企業。グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)をはじめとし、国内外問わず多くの受賞実績を持つメンバーで構成され、大企業やスタートアップ企業向けの実績多数。企画、デザイン、設計、量産まで、製品開発にかかわる支援をワンストップで提供。

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