新着記事はTwitterでご連絡いたします。下記URLから是非ご登録ください。Twitter: https://mobile.twitter.com/346design 特許、意匠などに付随する文献を紹介する第6回目です。本連載は筆者が気になって調べてみた知財を紹介していきます。拍手ロボット「ビックラッピー」 昨年の11月、千葉にビックカメラの新店舗がオープンしたのですが、オープン直後に見に行ったときのお話です。 入口付近はオープンして間もないからか、沢山の人だかりができていました。近づいてみてみると、何やらロボットが合成音声っぽい声でビックカメラの歌を歌っています。 手を叩きながらビックカメラの歌を歌うロボット ※筆者撮影 この拍手しているロボットはビッククラッピーとという名で、バイバイワールド社から販売、貸出されているそうです。【公式】ビッグクラッピー (bigclappy.com) こんな面白いものは知財があるに違いない!と思い検索したところ、やはり。どうやらこの拍手部分の機構が出願され、権利化もされているようです。■ 特許7164915/拍手ロボット/バイバイワールドバイバイワールド株式会社【発明の名称】拍手ロボット【出願人】バイバイワールド株式会社【代表図面】出典:J-PlatPat,特許7164915 内容は従来機種の拍手機構がソレノイドを2個使用していたのに対し、それを1個のみで実現するといったことが解決手段に記載されています。 ……さて、今回なぜこの特許公報を持ち出したのかと言いますと、私はこのビッククラッピーを見て、おそらく何かしらの知財があると思うと同時に、中身を見たい!と思ったのです。 しかし現実でそれは難しく、価格を見てもなかなかポンと勢いで買えるものでもありません。しかし!知財を見るとなんとなく中を見ることができるのです!なんとなく! 見てみると、口ってそうやって駆動してたんだー!とかそういう思想なのねー!みたいなのがわかり楽しいのです。特許情報を活用したリバースエンジニアリング以上の例のように、特許情報は既存製品の構造理解としても活用できます。以下も製品を分解せずに内部構造を覗いた例です。■ 特開2020-150468【発明の名称】携帯端末【出願人】富士通コネクテッドテクノロジーズ代表図面】出典:J-PlatPat,特開2020-150468 上記は筆者が愛用しているスマートフォンの内部構造に関する出願です。 つまり意匠を兼ねる筐体にはヒケを考慮して複雑な形状は設けず、ボスやリブは接着することでボディに設けて他部品と組付けしよう!という設計思想だったのですね。 これが知れたことで私は自分のスマートフォンを分解せずに済みました! ……といった感じに、リバースエンジニアリングと聞くと実際に買って分解して、というイメージですが、ちょっとした好奇心程度であればもしかすると知財を調べてみることで解消されるかもしれませんね。 ちなみにですがビックカメラ千葉駅前店には、オープニング記念でなんとちいかわがいました。かわいいですね。 動き回るハチワレとちいかわ ※筆者撮影 今回はここまでとし、次回も是非宜しくお願い致します。参考文献1.J-PlatPat,特許7164915,拍手ロボット2.J-PlatPat,特開2020-150468,携帯端末バックナンバーデザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第1回】電池式携帯電話用充電器デザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第2回】パラシュート内蔵スマートフォンデザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第3回】安心と安全を感じさせるATMカバーデザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第4回】アニメーション用の人形デザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第5回】気になる特許の調べ方デザイナーが知っておきたい 知財文献紹介「ボールペンの筆感切り替え技術」弊社株式会社346ではインダストリアルデザイナーとエンジニアを募集しています。興味関心がある方は是非下記よりお問い合わせください。https://346design.com/careers