新着記事はTwitterでご連絡いたします。下記URLから是非ご登録ください。Twitter: https://mobile.twitter.com/346design 特許、意匠などに付随する文献を紹介する第5回目です。 ようやく5回目を迎えられました。 本連載は筆者が気になって調べてみた知財を紹介していきます。 今回は例えば街中ですごい!と思ったものがあったとして、どういう仕組みなんだろう?特許として登録されてるのかな?と思ったときの調べ方についてです。 先日コンビニでカップラーメンにお湯を注いだのですが、注出後にお湯がピタッと止まったことに少し驚きを覚えました。(いつも飲む給茶機は注ぎ終わりに毎回滴っていたからでしょうか) とりあえず凄いと思ったものは特許じゃないかと考えてしまうのですが、そんな時はJ-PlatPatです!手順 コンビニで見かけたポッドにはタイガー魔法瓶社製のPDN-Aというポッドでした。マイコン電動ポット PDN-A400/A500 | 製品情報 | タイガー魔法瓶 (tiger.jp) このメーカー名と製品名をもとに探していきます。 もし仮に何らかの出願がなされているとしたら、恐らく製品発売以前に出願されていると考えられます。 調べてみたところ、本製品は2007年7月には公知になっていました。家電Watch:タイガー、5Lの大容量電気ポット (impress.co.jp) 一先ずJ-PlatPat のタブにある特許・実用新案→特許・実用新案検索の検索キーワードで出願人/権利者/著者所属・・・タイガー魔法瓶全文・・・電気ポット 検索オプションは一先ず日付指定のみ出願日・・・20080101(まで)特許・実用新案検索|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp) どうなるでしょうか?恐らく500件近く出てくると思います。 全文検索は、文献内に一言でも当該ワードが入っていると出てきます。そのため、電気ポットのみで検索かけますと、電気ポッドという単語が使われている制御方法、から製造方法、関連製品まで全部ヒットしてしまいます。 キーワードを足してさらに絞り込むこともできますが、ちょっと別の方法で調べます。 調べたいのはなぜ水が漏れないのか?です。となると、恐らく注ぎ口付近に何か関係があると考えられます。 特許は途方もない数あるため、検索しやすいよう生物分類のように細かく階層化されています。そのため、まず大まかなテーマ(テーマーコード)で絞り込んでから、そのテーマをカバーする特徴(FIコード)でさらに絞り込めます。 分類の説明についてはまた次回以降とし、ひとまず今回の電気ポッドはいくつかの文献を見たところ、どうやら加熱調理器(4B055)が割り当てられているようです。 注ぎ口という特徴については、以下の2つがそれっぽいので検索にセットし再度検索にかけます。A47J27/21,101@N,注水機構(出湯機構)A47J27/21,102@D,注水口,注水口の開閉 するとどうでしょうか?以前として100件ぐらい出てきはするものの、2008年からの直近は各年3~4件ほどしかないため、あとは発明の名称などでそれっぽいものを覗いていけば良さそうです。 注出後の水切れの良さの秘密は、2004年3月に出願されていた、以下の文献が関連しているようです。■ 特開2005-253688【発明の名称】電気ポット【出願人】タイガー魔法瓶株式会社 【図1】出典:J-PlatPat,特開2005-253688 水切れの良さの秘密は、どうやらお湯の出る吐出口付近に孔が設けられており、停止時にそこから吸気することで水が滴らなくなっているようです。 今回は唐突に気になった製品の要素技術について、手早く調べてみました。 おそらく日常で何気に凄い!と思った機構は結構出願されている可能性が高いので、試しに調べてみてはいかがでしょうか? 今回はここまでとし、次回もよろしくお願いいたします。関連記事デザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第1回】電池式携帯電話用充電器デザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第2回】パラシュート内蔵スマートフォンデザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第3回】安心と安全を感じさせるATMカバーデザイナーが知っておきたい 知財文献紹介【第4回】アニメーション用の人形弊社株式会社346ではインダストリアルデザイナーとエンジニアを募集しています。興味関心がある方は是非下記よりお問い合わせください。https://346design.com/careers参考文献1.J-PlatPat,特開2005-253688,電気ポット