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特許、意匠などに付随する文献を紹介する第4回目です。
本連載は筆者が気になって調べてみた知財を紹介していきます。
第4回目は、自由にポーズを固定できる人形についてです。デッサン人形みたいなものですね。
【発明の名称】アニメーション人形
【出願人】スティッキーボーンズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
出願日2016年8月15日

【代表図面】出典:J-PlatPat,特表2018-523529
当該特許は米国の企業で2015年8月に本国で出願、その1年後の2016年8月国際出願されたものです。国際出願はPCT(特許協力条約)加盟国一斉に出願できるため、加盟している日本でも2016年8月に出願されたことになります。
出願は請求項63個にまでにわたる非常に広い範囲を狙ってなされていますが、日本では最終的に手続補正を経て請求項38個の特許6892436として登録されました。
無事特許になってめでたしめでたし・・・ですが、実際は権利化される前に”分割出願”して子出願がされています。
”分割出願”について、以下の図をもとにざっくりと説明します。
まず、画期的な発明A,B,C+Dを含んだ電気スタンドを発明し、この4つに該当する特許の出願をしたとします。 発明A,B,C+Dはそれぞれ新規性があり請求項として認められる可能性が高いです。

このとき、なんらかの理由で当初4つの請求項の出願から、AとBとC+Dに分けで新たに出願することを”分割出願”と言います。また、もとの出願を親出願、分割した出願を子出願と言います。
なぜ分割出願をする必要があるのかについては別の機会に説明しますが、ひとまずはそういった手法があるということだけご理解ください。

さて、今回取り上げたアニメーション人形はどう分割されたかといいますと、まず人形の足部分について新たに出願されています。
【発明の名称】アニメーション人形
【出願人】スティッキーボーンズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【出願日】2021年5月27日

【図11B】出典:J-PlatPat,特表2021-121365
踵(かかと)にはボールジョイントがはまり、さらに踵とつま先もボールジョイントでつながっています。さらに、踵とつま先の裏にはそれぞれ磁石が入る旨のことが請求項に記載されています。
恐らくですが、この踵とつま先があることにより、人形が自重でのポージングを可能としているのだと考えられます。
この子文献からさらに、人形を支えるための支柱について、孫文献が現在出願されています。
【発明の名称】アニメーション人形のための延長リグ
【出願人】スティッキーボーンズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【出願日】2021年11月26日

【図11B】出典:J-PlatPat,特開2022-016651
ここまでアニメーション人形に関する文献を用い、特許の醍醐味ある分割出願の一端についてご紹介しました。もしJ-PlatPatで観覧した特許が分割されていた場合、分割された特許は経過情報から確認できます。
いつどのタイミングで分割されたか、どこが請求項として分割されたかを見ることにより、その発明をどう保護しようとしているのか、知財戦略を覗き見ることができます。
今回はここまでとし、次回もよろしくお願いいたします。
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参考文献
1.J-PlatPat,特表2018-523529,アニメーション人形
2.J-PlatPat,特表2021-121365,アニメーション人形
3.J-PlatPat,特開2022-016651,アニメーション人形のための延長リグ
4.知財辞苑,特許の分割出願とは?
5.ライトハウス国際特許事務所,どのような場合に特許の分割出願をすると有効か?