新着記事はTwitterでご連絡いたします。下記URLから是非ご登録ください。Twitter: https://mobile.twitter.com/can_know 特許、意匠などに付随する文献を紹介する第1回目です。 本連載は筆者が気になって調べてみた知財を紹介していきます。 第1回目は、コンビニでよく取り扱われている、乾電池式携帯充電器です。 以前より店内ではよく目にしていましたが、いつのまにかパッケージのデザインが端整になっていました。 メーカーHPを覗いたところ、沿革に(1997年) 電池式携帯電話用充電器を他社より先駆けて特許の取得沿革 – 多摩電子工業 | 公式サイト [ tamas / タマズ ] (tamadenco.co.jp)とあったため、気になって見てみようと思ったのが今回の始まりです。 早速JPlatPatで検索してみたのですがメーカー名ではヒットぜず、、、どうやら代表者ご自身が出願人/権利者となっているようです。■特許3102853【発明の名称】携帯電話の充電装置出展:J-PlatPat-特許3102853 意外にも内容はよくある単3電池ではなく、9V電池(006P型)。 請求の範囲を掻い摘んで要約すると、”携帯の充電コネクターと、乾電池の凹凸スナップ端子に合体する電極、過電流防止回路と表示灯を備えた充電回路が特徴となっている充電装置”です。 凹凸スナップというのは以下のような形ですね。出展:Amazon オーム電機 バッテリースナップ(006P用) 黒 他にも同年に実用新案が2つ確認できます。■実登3044443【考案の名称】携帯電話の簡易充電器出展:J-PlatPat 実登3044443 携帯充電用端子は乾電池接続用スナップと一体ではなく、ケーブルでつながっています。 (調べてみたところINGという自社ブランドで、図面のような製品を販売していたことは確認できました。)■実登3053317【考案の名称】携帯電話のデータ通信使用時の補助電源、 及び充電装置出展:J-PlatPat 実登3053317 こちらは、乾電池で充電中にデータ通信ができるように、携帯電話のメス端子が付いています。 これらは1997年の出願は、”他者に先駆けて”のとおり、乾電池で携帯を充電するという類の中ではかなり初期に出願されています。また9V電池のスナップ端子を利用した携帯充電器というのも類似文献はほぼ確認できません。 なお、現在この特許や実登は、年金不納により抹消されています。 9Vの入手性が出願当時よりも低くなっており、維持する理由があまりないからかもしれませんね。 現在もコンビニでよく見かけ、最近では防災グッズとしても再評価されてきている乾電池式の充電機ですが、多摩電子工業はこの雄ともいえる企業です。そして今回の知財は、現在の姿になるまでのルーツといえる文献でした。 このように日頃からよく見かけるメーカーでも、知財文献を調べてみると何かその事業の始まりとなる文献、積極的に出している領域などがわかり、理解が深まることが期待できます。是非、一度調べてみてはどうでしょうか? それでは今回はここまでとし、次回もよろしくお願いします。弊社株式会社346ではデザインエンジニアを募集しています。興味関心がある方は是非下記よりお問い合わせください。https://346design.com/careers弊社株式会社346では、本記事の連載または出版にご協力いただける企業を募集しています。興味関心がある方は是非下記よりお問い合わせください。https://346design.com/contact参考文献1.多摩電子工業株式会社,沿革2.J-PlatPat,特許31028533.J-PlatPat,実登30444434.J-PlatPat,実登3053317